目次
はじめに
映画やドラマに出てくるハッカー等のイメージから、初心者の方はなんとなく「プログラミングする時って、すごい速さでタイプするんだろうな」と思っていらっしゃるかもしれません。
実際にプログラミング言語に慣れてくれば文法が頭に入っているので何も見ずにカタカタと打ち込むことができますが、初心者の場合はそうはいきません。
参考書や教材を何度も見ながらコードを打ち込んで、エラーが出てはまた見直して…という非常に泥臭い作業を通して覚えていくことになります。
この過程こそが重要ではあるのですが、思い描いていたプログラミングの像とあまりにかけはなれていることに絶望し、挫折感を味わう人も多くありません。
そんな挫折を避けるためにぜひおすすめしたいのが「プログラミングの写経」です。
「写経って、あのお寺とかでお経を一文字ずつ書き写すあれ?」と思われた方、まさにそれです!
この記事ではなぜ写経がおすすめなのかの説明や、効果的な実施方法を紹介します。
プログラミング初心者の方の挫折を避ける一助になれば幸いです。
プログラミングにおける写経のメリット
「プログラミングの写経」とは、まさにお経の写経と同じくサンプルコードを一文字ずつ書き写していくことです。
小学生の時に漢字を覚えるためにドリルに漢字を書いたり、英単語帳を作って覚えたりしたと思います。
このように「書き写して覚える」という方法は新しいことを習得する際にとても有効なのですが「もう大人なのだからもっと効率よくやりたい」「基礎を本で叩き込んだ後に自分でオリジナルコードを書いて実践した方がスマートだ」と思われる方も多いようです。
もちろんそれが自分に合っていて問題なく学習が進んでいるのであれば非常に素晴らしく、ぜひその方法を続けていただきたいのですが、中にはなかなかうまくいかずに挫折してしまうケースもあります。
「急がば回れ」のことわざの通り、効率がよくないと感じても結局はかなり効率の良い学習方法といえるのが写経です。
理由を見ていきましょう。
手っ取り早く達成感を味わえる
一番の理由はこれです。動くことが保証されているサンプルコードを書き写して実行するだけなので、比較的さくっと動かすことができます。
プログラミング学習を挫折してしまうパターンで最も多いのが「エラーが多すぎて心が折れる」ことです。
書き写しさえできれば動くのと、もし動かなかったとしてもオリジナルのコードではなくサンプルコードなので、その提供者へ原因を質問することができます。
「なんで動かないんだろう…」と悶々と過ごす時間を短縮し、その分次に挙げる重要な学習に時間を割けるわけです。
これは精神衛生上非常にいい効果があります。
言語に素早く慣れられる
プログラミング言語は多く存在していて、それぞれ文法やお作法が異なります。
やりたいこと(コンピュータに命令を出して思い通りの処理をさせる)は同じなので、基本的なコンセプトや全体感は似ていますがそれでもかっこの書き方や記号(カンマ、ピリオド、コロン等)の意味合い等、細かい部分が違うのです。
写経をすることで全体の雰囲気を素早く掴み取ることができます。
ある言語に熟練した上級プログラマーでも、別の新しい言語を学ぶ時にはまずドキュメント等に記載されているサンプルコードに目を通してこの雰囲気掴みから始めることが多いです。
基本的な文法を理解できる
一文字ずつ書き写すことで、細かい部分にまで意識が回ります。
なぜこの部分でかっこが必要なのか?
さっき書いたところと同じような処理に見えたけどなぜ今回は書き方が違うのか?
ここで書いたコロンにはどんな意味があるのか?
そんなことを考えながら書き、実際にプログラムを動かしてみることでどんな意味があったのかを理解できるのです。
実行するだけでは理解できなくても、疑問に思った部分を後から消してみたり変えてみたりするとまた挙動が変わるので、サンプルコードからの「足し引き」でいろいろなことが学べます。
写経の効果的なやり方
それでは、実際にプログラミングの写経はどのように行うのが効果的なのでしょうか。
必ずプログラムを動かせる環境で行う
お経の写経は紙と筆で行いますが、プログラミングは動かしてからが本番ですので、必ず動かせる実行環境を用意して行いましょう。
写経する→実行する→エラーが出たら確認→再実行
という流れを、プログラムが動くまで行うのが肝要です。
エラーが出たら自力で解決する
エラーが出てもくじけたり投げ出したりせずに自力で解決しましょう。
エラー文は「コードの何行目にどんな問題があるか」が英語で出ることが多いですが、英語がわからなくてもそのエラー文をコピー&ペーストしてWeb検索すればたくさんのヒントが手に入ります。
そのヒントを元に、自分で何がおかしいのか考えたりサンプルコードと何が違うのかを確認しながら解決しましょう。
プログラマーにとってエラー解決能力は非常に重要で、どんなに上達した人でもエラーが出ない日はないといってもいいほどです。
エラーを自力でさくっと解決できるよう、今のうちから鍛えておきましょう。
もちろん、自力でやってもわからない場合は最終的にまわりの人に聞いてみてください。
写経後の「チョイ変」で応用を楽しむ
写経は「書き写すだけ」なのですが意外と一発では実行成功しないことが多いです。
スペースが足りなかったり、書き順を間違えていたり、スペルミスがあったり…
元のサンプルコードと一文字違うだけでも失敗してしまいます。
実行に成功するまではそういった細かい記述に集中して文法を習得していきますが、見事動いた後はぜひ細かい部分をちょっと変更(チョイ変)して挙動がどうなるのか試してみてください。
ただ他人が作ったコードを書き写すだけでは実行の喜びを味わえても自分で書いた気がしなくてつまらなく感じてしまうものです。
ここに自分なりの変更を入れることで初めて「自分のコードが動いた!」という実感が出てくるだけでなく、サンプルコードをベースにいろんなパターンの実行例を体験することでより発展した学びにつながります。
サンプルコードの選び方
写経するサンプルコードの選び方も非常に重要です。
おすすめの言語
すでに学びたい言語が決まっている場合を除けば、まずはどんな言語から学習に入ればいいのかな?と悩んでいる方も多いでしょう。
実行環境の構築が容易かつ実行結果を目視で確認しやすい言語、具体的にはHTML やCSS、JavaScriptあたりがおすすめです。
これらはWeb開発のための言語なので、マスターしたらWeb開発に役立てることができるというメリットもあります。
おすすめのコード入手方法
その言語の入門書にはサンプルコードがたくさん書いてあります。
実行環境が整っていればそういった書籍を購入するのが良いでしょう。
もしパソコンが手元にあるだけだ…という方は、プログラミング講座の受講がおすすめです。
講座では実行環境の構築から説明があるため初めてでも簡単に導入できます。
また、サンプルコードを実行する際に講師と全く同じ環境で動かすことができるため、やっかいな問題の一つである「実行環境の違いによるエラー」が発生しにくいです。
プログラミングを学ぶにあたり本質でない部分に費やす時間を減らすことができます。
下記の講座はサンプルコードも豊富で、初心者の方に特におすすめです。
まとめ
プログラミングの写経を初心者の方に強くおすすめする理由と、効果的な実施方法について紹介しました。
簡単にできる割には学習効果が非常に高いですので、ぜひ試してみてくださいね。
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