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「クラウドエンジニア」という職業をご存知でしょうか。
企業のサービスやシステムの運営形態がクラウドへ移行する傾向にあるなか、近年注目を集めている職業です。
この記事では、クラウドエンジニアの役割や求められるスキルについて説明します。
クラウドエンジニアは昔からあった職業ではなく、AWSやGCP(後述します)といったクラウドサービスが世に出てきてから必要とされ始めた職種です。
簡潔にいうとクラウドエンジニアはこういったクラウドサービス上でサービスやシステムを運用するための環境構築や管理を行います。
これだけ聞いてもイメージしづらいですので、具体的にどんな職業なのか紐解いていきましょう。
クラウドエンジニアを知るためにはまず、サービスやシステムを搭載したサーバーの運用形態としてオンプレミスとクラウドという概念の違いを理解する必要があります。
オンプレミスというのは、サービスやシステムを運用する企業が自身でサーバーの実機を保有し自社内で環境を構築・運用していく形態のことです。
システム規模に応じマシンのスペックを検討し調達しなければならないため運用開始までに長い準備期間や初期コストがかかります。
また、運用開始後もマシンやネットワーク(これらをインフラと呼びます)の運用を自社で行うため管理・維持コストがかかりますし、利用者が増えてきてインフラを拡張する必要が出てきた場合にも初期導入と同様に手間やコストが高くつくのが特徴です。
これに対しクラウドは後述するクラウドサービス上にシステムやサービスを構築します。
インフラを自社で用意する必要がなく、数十分程度で環境構築が完了するため初期導入コストが抑えられるのがメリットです。
また、運用開始後にインフラを拡張する必要が出てきた際も必要な分だけをすぐに増やすことができます。
このように、クラウドを使用すればオンプレミスと比較し初期導入コストや運用コストを下げられるという利点があり、近年クラウドへ移行する企業が増えています。
最近ではリモートワークが増えていることもあり、いつでもどこからでも管理画面にアクセスできることも大きなメリットですね。
オンプレミスの方が自社運用である分、カスタマイズの自由度が高いというアドバンテージはあるものの、それを差し置いてもクラウド運用に采配が上がる傾向にあります。
このようなクラウド運用を実現するのがクラウドサービスです。
サーバーやネットワークといったインフラ資源をインターネット越しにオンデマンドで提供するサービスで、主なものとして下記があります。
クラウドサービスの中でも古参で、最も有名なので名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
Amazon社が提供しているクラウドサービスで、20以上のリージョンに配置されたデータセンターにてインフラリソースをオンデマンドで提供しています。
Microsoft社が提供するクラウドサービスです。
Windows OSが利用できるのが最大の特徴で、オンプレミスサーバーでWindowsを採用している場合は連携した運用ができるため採用されやすい傾向にあります。
Office365などのMicrosoft社製品との連携が容易なのもメリットです。
公式サイト:Microsoft Azure クラウドコンピューティングサービス
Google社が提供しているクラウドサービスで、同社が提供する検索エンジンやYouTubeといったサービスでも使用されています。
機械学習やAI開発のためのサービスや、Android・Google Chrome OSなどGoogleならではのリソースが活用できるのが特徴です。
公式サイト:クラウドコンピューティングサービス Google Cloud
このように、世間のトレンドがオンプレミスからクラウドへ移行していくにあたって、各社が提供するクラウドサービスを使いこなしてインフラの構築と運用に責任を持つのがクラウドエンジニアです。
従来はサーバーエンジニアやネットワークエンジニア(総称してインフラエンジニアと呼びます)が自社インフラに対して行っていたような職務を、クラウドサービスを活用して取り組むわけですね。
実際の業務目的は同じ「インフラを構築し運用すること」ですが、そのインフラがオンプレミスからクラウドになったことで新たに必要とされるスキルや役割が生まれたといえます。
ここまででも少し触れましたが、改めてクラウドエンジニアの役割を整理しましょう。
これはインフラエンジニアも実施していた業務ですが、まず最初にシステム規模に合わせてどのようなインフラ環境が必要なのかを検討し、具体的な仕様を練っていきます。
インフラエンジニアの場合はマシンのスペックや台数などを検討しますが、クラウドエンジニアの場合はどのクラウドサービスを採用するのかや、どんな構成の仮想マシンを使うかを考えるフェーズです。
システム構成が決まったら、実際に構築していきます。
自社サーバを使う場合と異なり1台1台セットアップする必要はなく、ブラウザ越しに設定作業を行うだけで済み、数十分もあれば完成するのがクラウドサービスを活用する醍醐味です。
システムが立ち上がったら保守作業や運用を行うのもクラウドエンジニアの役割です。
利用者の使用状況に対して問題なく稼働しているかのモニタリングや問題が発生した時の対応・キャパシティが足りなくなった場合のインフラ拡張など様々なことを実施する必要があります。
それでは、クラウドエンジニアにはどのようなスキルが求められるのでしょうか。
先述のようにクラウドサービスには様々あり、各社提供する機能も料金体制も異なるため、用途や予算に合わせて適切なものを選ぶ必要があります。
また便利なものであるからこそ使い方も複雑になっており、各社がユーザーの熟練度を保証するために資格試験を実施しているほどです。
各社のクラウドサービスの違いや使い方を熟知していることはクラウドエンジニアにとって最も欠かせないスキルの一つといえるでしょう。
クラウドエンジニアが実施する業務の大まかな内容や目的はインフラエンジニアと大差ありません。
サーバーソフトウェアやデータベースソフトウェア、ネットワークやセキュリティに関する知識が必要とされます。
これはクラウドエンジニアに限った話ではありませんが、システム開発に携わる時に何よりも重要なのが関連部署や顧客と密接にコミュニケーションをとれる能力です。
特にシステム構築はシステム開発の礎となる部分なので、どんな環境や仕様が求められているのか適切に把握したり、フィードバックを受けながらブラッシュアップさせていくことが求められます。
クラウドエンジニアはどんな職業なのかや求められるスキルについて紹介しました。
特に重要とされるスキルである「クラウドサービスに関する知識」については下記の講座で詳しく説明していますので、興味のある方はぜひ確認してみてください。
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